回心誌

日々是回心

【倫理】動物倫理について、今時点で思っていることのメモ

「その生物種が進化的に獲得した潜在能力を可能な範囲で引き出す」という規則が理にかなっていそうに、今の自分には思える。

この規則であれば、走ることが得意な動物は走れるような環境を用意してやるのが良い。泳ぐのが得意な動物は泳げるようにするのが良い。人類は運動能力に加えて知性、他者への思いやりを発揮できれば良い。

ただ、恣意的に基準を決めれるのではないか、という問題はある。

現状行われている非道徳的な動物実験や工業的な畜産は当然受け入れられにくいが、人類の知性の発揮との兼ね合いで場合によって容認可能であるという論理もありうる。



倫理的行為を実行できる倫理的行為者になりうるのは人間のみであって、動物は倫理的行為者になりえない、というところに、この、避けがたい恣意性のポイントがあるように思える。
要するに、人間だけが一方的に決めることができるのだから、恣意的にならざるを得ない。

「有感」などという一見恣意性のない客観的な線引きも、恣意的にならざるを得ないからこそ、こういったやり方になっているように思う。
しかし、どう線を引こうと恣意的であることは避けられないのではないか。

【ゲーム】『The Long Dark』に出てくる「サルオガセの地衣類」について

サバイバルゲーム『The Lon Dark』には「サルオガセの地衣類」というアイテムが登場する。
木の枝から垂れ下がるコケのようなものだ。

このアイテムと包帯を利用して、傷の消毒を行うことができる。


サルオガセって何?地衣類って何?と思ったので、少し調べて見た。
地衣類とは、藻類と共生関係を送る菌類の一種なのだそうだ。

地衣類は藻類を体の中に取り込み、藻類は光を浴びて光合成を行う。
そうして得た栄養を、藻類は地衣類に送る。


サルオガセは地衣類の一種で、古くから薬用として使用されてきた。

盛口満『となりの地衣類』p.62より

『地衣類の二次代謝物』の中の「伝統医学における地衣類利用」と題された章には、世界で最も広く薬用として利用されてきた地衣類は、サルオガセの仲間だと書かれている。八ヶ岳やアルプスなどの高山に行った折、針葉樹から垂れ下がる白いひげのような地衣類を見たことがないだろうか。これがサルオガセの仲間だ。

ヨーロッパの地衣の利用はギリシャ時代までさかのぼる。ギリシャではヤマヒコノリの仲間が使われていたようだ。その後、中世になるとペルシャの学者からヨーロッパへサルオガセの利用が伝わった。サルオガセの属名、アラビア語由来である。中世以降、ヨーロッパではサルオガセのほか、エイランタイやイヌツメゴケ、ツノマタゴケ、オオロウソクゴケ類などの地衣が薬用に使われたが、現在、地衣の利用はほとんど見捨てられてしまっている。ただし、エイランタイのみは現在も薬用としての地位を保ち続けている


日本でも見ることができるようだ。ぜひ見てみたいものだ。


となりの地衣類−−地味で身近なふしぎの菌類ウォッチング

となりの地衣類−−地味で身近なふしぎの菌類ウォッチング

  • 作者:盛口 満
  • 発売日: 2017/11/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)