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回心誌

世の中わがんね

Phowa


Maximum the Hormone - [F] - YouTube

 

冷酷非道な独裁者たるフリーザを、ポアと称して信者・非信者の殺害を首謀した麻原彰晃と重ねているようだ。フリーザ配下のエリート部隊ギニュー特選隊も、軒並み死刑判決となったオウム幹部らと対応する。

時期的にも重なる。アニメ「ドラゴンボールZ」のフリーザ編の放送時期は1990年から1991年。もちろん再放送や映画化もされたであろう。一方、オウム真理教が宗教法人として認可されたのが1989年で、地下鉄サリン事件をきっかけにその犯罪が露呈していくのが1995年。

では、フリーザを倒した主人公・悟空と対応するのは、オウムに制裁を加えた日本社会そのものだろうか? 確かにそのように見ることも可能だろう。しかし、実はこの歌の歌詞にはそもそも悟空は登場しない。

ここで、フリーザの恐ろしさがオウム事件に留まらず、人間の普遍的・歴史的な行いに結び付けられている点に注目したい。

乱獲 乱伐  乱開発

ここで繰り返される自然破壊

虐待拷問人権なく

植えつけたのはプロパガンダ

ここに飛躍を感じる。悟空が登場しないことも相まって、正義・悪を対置する少年誌的構図を越え、人が背負う悲しき業が垣間見える。

しかし、そのような飛躍にも関わらず、聴き手はこの歌の世界に違和感なく入りこめる。非現実的だが現実に起きたオウム事件を想起させる「ポア」の叫びは、ドラゴンボールのポップなファンタジー世界と深刻な現実の社会問題を縫い合わせる糸として機能しているのかもしれない。いわゆるデスボイスを駆使しつつ疾走感のあるポップな曲に仕上げるのは彼らの得意とするところであろうが、この曲では特に飛躍のカタルシスを導き、思わず惹きこまれる。

ていうか、このMADよく出来てるよね。