回心誌

世の中わがんね

政府には貧しい人の面倒を見る責任があるか

アメリカのシンクタンク、ピュー・リサーチ・センター (Pew Research Center) の調査によると、日本は世界で最も福祉政策が支持されていない国の一つということになる。

「政府には自力で生活できないほどの貧困者を保護する責任がある」という意見に賛成の人の割合をみると、日本は世界で最も少なく、59%だった。

日本ほどではないが、エジプト、ヨルダンもセーフティ・ネットを支持する傾向が低かった。自己責任論の強そうなアメリカは他国と比べても低めの値となっているが、それでも日本よりも支持する傾向は強く、70%だった。

福祉政策についての日本人の関心の低さの理由は何だろうか。日本にはキリスト教のような救済の価値観が根付いていないからだ、というのはこの調査結果をみる限りでは妥当ではないように思える。他のアジア諸国やアフリカ諸国を見てもこれほどセーフティ・ネットを嫌う国は無い。

ここに表れているのは「パイは縮小してるけどそれでどうしたらいいんだって話にならずに、とにかくしがみつきたいんだ。しがみつくためには変な寄生虫みたいなパラサイトは排除したいし、だから排外主義になるし、自分さえ良ければいいっていう個人主義になる」とする萱野稔人の言葉に表されるメンタリティじゃないだろうか*1生活保護に対するバッシングを見ても思う。

p.17-18,99

Continued Support for a Safety Net
While most of those surveyed believe that free markets are preferable even if they result in economic inequality, they also believe government should take care of those who are left behind by economic competition. In all 47 countries, majorities agree with the statement “It is the responsibility of the government to take care of very poor people who can’t take care of themselves.” In 30 countries, majorities say they completely agree with the statement.

拙訳:
調査対象のほとんどが、経済的不平等をもたらすとしても自由市場は好ましいものと考えている一方で、経済的な競争に取り残されてしまう人々を政府が救済するべきだとも考えている。47か国全てにおいて、「政府には自活できない貧困者を保護する責任がある」という意見に賛成かどうかを調査した。ほとんどの国でこの意見は支持された。

The Japanese are the least likely to support a safety net. About six-in-ten (59%) agree that looking after the very poor is the government’s responsibility, and just 15% completely agree.

日本はセーフティ・ネットを最も支持しない傾向にあった。おおよそ10人中6人(59%)の割合で、非常に貧しい人々の面倒をみるのは政府の責任であるということに賛成しており、完全に賛成したのはほんの15%だった。