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回心誌

世の中わがんね

日本禁煙学会、映画の中の喫煙表現

パターナリズムの典型例.

映画「風立ちぬ」なかでのタバコの描写について苦言があります。現在、我が国を含む177か国以上が批准している「タバコ規制枠組み条約」の13条であらゆるメディアによるタバコ広告・宣伝を禁止しています。この条項を順守すると、この作品は条約違反ということになります。(別冊をご参照ください)

また、学生が「タバコくれ」と友人にタバコをもらう場面などは未成年者の喫煙を助長し、国内法の「未成年者喫煙禁止法」にも抵触するおそれがあります。事実、公開中のこの映画には小学生も含む多くの子どもたちが映画館に足を運んでいます。過去の出来事とはいえ、さまざまな場面での喫煙シーンがこども達に与える影響は無視できません。

タバコ規制枠組み条約と未成年者喫煙禁止法を挙げて「誰もが知っているような有名企業である貴社が法律や条約を無視することはいかがなものでしょうか」と批判している。
これが販促になるのかとか色々思いはするけど、そもそも私企業が国家間で締結される条約に従う義務があるのか?という疑問がある。法的義務がないことは明らかだ。企業の社会的責任(CSR)の倫理的な側面に訴えるしかない。
それで、タバコ規制枠組み条約(たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約 )には確かに「第十三条たばこの広告、販売促進及び後援」という条項があり日本も批准している*1。批准したにも関わらず国内法の整備等を行っていないとして日本禁煙学会は政府を批判している*2。それだけでは効果があげられなかったので、私企業に苦言を申し立てたのだろう。
まあ、日本は国連人権理事会から勧告を受けていても対応していないとかあるので、別に驚きはしないが……(だから対応しなくていいわけではない)。

次に未成年者喫煙禁止法について。この法律は6つの条項からなる。一つずつ読んでいっても、親権者や販売者への規制はあるが、未成年者の喫煙を助長する行為を一般に禁止するものは見つからない。なぜ抵触するおそれがあるとしたのか分からない。

日本禁煙学会は以前にもスカイ・クロラについて公開質問を行っている。回答があったとは思えないが、押井は演出上タバコが不可欠だったとしているらしい*3

おまけ

日本禁煙学会ウェブサイトからリンクされていた映画批評サイト。無煙(喫煙シーンが無い)かどうかが評価の重要なポイントになっている。密度がすごい。新作映画を次々と観賞しており、そもそもかなりのシネフィルであることが伺える。