回心誌

日々是回心

橋下徹と君が代斉唱

 私個人としては、嫌味でもなんでもなく橋下徹は日本を変えうる逸材なんじゃないかと思っている。だからこそ、おかしな方向へ変えるのは止して欲しい。

 2011年6月、橋下率いる「大阪維新の会」が提案していた大阪府で府施設における国旗の常時掲揚と、府内の公立学校の教職員に対し国歌の起立斉唱を義務付ける「君が代条例」が可決された*1
 また2012年2月の末には、橋下徹市長は市立学校の教職員に国歌斉唱時の起立を義務付ける「君が代起立条例案」を市議会に提出、その後可決された。*2

 「職務命令を出したのは教育委員会。条例は憲法の範囲内。我々は条例を作っただけ。」と、橋下は言う。また、中原徹校長についても、ただ教育委員会の命令に従っただけという言い方だ。
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 まず、他の校長はそういうことをしていないのだから、結局のところ最終的な決定は中原によるものだ。しかしまあ、それも条例に従っただけと考えるべきだろう。
 教育委員会が職務命令を出したのも、条例に従っただけのことだ。条例を作った時点でこういう事態は当然想定できたはずだ。
 しかし、橋下は教育委員会に聞け、の一点張り。記者は条例を作った橋下の責任を追及しているので、その返答はおかしいのだが、その場の空気としては記者を言い負かしている(少なくともニコニコ動画のコメントではそういう見方が多数だ)。

 その手腕には、端的に言って感服する。はっきり言って、リベラルはこういうお行儀の悪い議論は苦手なんだと思う。

 じゃあ、条例がそもそも正しいのか? これは結局玉虫色の結論しか出ないと思う。
 橋下はよく、「国家を歌いたくなければ公立教師なんかにならずに民間に就職すればいい」と言うが、国家を歌わないと言う理由で免職にする行為が合憲となった例を私は知らない。逆に、戒告処分程度であれば合憲の判決が出ている*3。となれば、結局条例があろうと戒告までしか行われないだろうし、逆に戒告など屁でもないという教師にとっては意味は無い。

図説 心理戦で絶対負けない交渉術

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