回心誌

日々是回心

産經新聞前ソウル支局長の在宅起訴について

  • 大統領や与党政治家への批判を司法が取り締まるのは(たとえ下らないスキャンダルであったとしても)民主主義に対する脅威を臭わせる。
  • その一方で、日本では親告罪、韓国では非親告罪であったりと、日韓の法文化、政治文化の違いも大きかったのでは、と思う。

今回の起訴は市民団体の告訴を受けてのものらしいが、民主主義の簡単から疑問がある。つまり、自分の気に入らない言説を名誉毀損として告訴するようなことになれば、全体主義を促進してしまうのではないか。

また、捜査が公正に行われるのだろうかという疑問。意識的にせよ無意識的にせよ、政府の意志を忖度するような行動をとってしまう可能性はないのか。

同じような政治家に対する流言でも、野党に対するものは問題視されず、与党や大統領に対するものだけが制裁を受けるようなことがあってはならない。

一方、日本と韓国の文化的な違いを見極めずに報道したことが原因とも考えられる。日本では、名誉毀損を訴えるのは被害を受けた本人であるが、韓国では第三者が行う。イメージが損なわれるのを嫌う政治家は、自ら積極的に訴えることはしないだろうから、日本では政治家のスキャンダラスな噂を広めるハードルは低い。韓国でどのような報道がされているのか分からないが、このようなハードルの違いを見極めなかったために問題につながった側面があると思う。