人一倍「性」に関心があったくせに、私が童貞を捨てたのは25を過ぎてからだった。
そんな私が童貞時代に読み、感銘を受けた漫画がある。
いつものようにちんちんをいじりながらネットを徘徊していたとき、ふと、ある画像を目にした。
「なんで処女じゃないんですか!?」
ものすごいインパクトを受けて、すぐ集めましたよ。
4冊完結で、集めやすかった(新装版は上下巻)
まず絵がかわいい。メイドなのも良い。
冴えない感じの主人公がメイド喫茶に行き、新人メイドと恋に落ちるというストーリー。なんだけど、けっこうグサグサくる。特に童貞には!
- 作者: きづきあきら,サトウナンキ
- 出版社/メーカー: ワニブックス
- 発売日: 2013/03/09
- メディア: コミック
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- 作者: きづきあきら,サトウナンキ
- 出版社/メーカー: ワニブックス
- 発売日: 2013/03/09
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きづきあきら・サトウナンキの漫画はその後もちょくちょく買ってるんだけど、やっぱりこれが一番衝撃的で面白かった。
これは自分のことでもあるんだけど、恋愛に憧れをもつからこそ童貞をこじらせてしまうのだ。
私は童貞のくせにこういう漫画を読んだので、憧れを相対化できたような気がしてる。童貞に限らず、この漫画には拗らせてるキャラクターがたくさん登場するのだが、それもコンプレックスの相対化という意味で良い経験だった。
宮台真司という社会学者おじさんがどこかで言ってたけど、やっぱり男が童貞のコンプレックスって特殊なのだ。
それは女性の持つ処女へのコンプレックスとは全く別物だと考えたほうが良い。
(というか、女性は処女に対してコンプレックスを持つのか?)
次に紹介するのは、海野なつみ『逃げるは恥だが役に立つ』。
通称、逃げ恥。
仕事のなかった主人公みくりは京大卒ハイスペック高齢童貞・平匡の元に「仮面夫婦」として転がり込むというストーリー。世間には夫婦と偽りつつ、その内実は雇用関係……そんな「就職としての結婚」をテーマとした変わった漫画なのだ。
絵柄もセリフも淡々として爽やかだけど、高齢童貞、高齢処女、少子化といった重い話題もさらっと出てくる。
それでいてコントのような妄想や温かみのあるキャラクターの行動に安心させられる。
ストーリーも変わってるけど、このテンポが独特で面白い。
その中で語られる童貞はこちら。
みくりは大学院で心理学を専攻していたという設定で、このあたりの童貞分析が専門的。
自尊感情というのは、なるほど感はある。
しかし、これを一体どう解決するのか!?
みくりは、雇用関係を利用し、平匡に役割を与えることで半強制的に恋愛に向き合わせるのだった。
ところで、童貞界における記念碑的なドキュメンタリー映画『童貞をプロデュース』においても、童貞を半ば強制的にレイプするシーンがある。
レイプには言うまでもなく倫理的な問題があるが、そうでもしないといつまでも逃げ続けるんじゃないか、というおせっかいな危機感はよくわかるのだ。
みくりの方法は傷つけずに恋愛に向き合わせるうまい折衷案とも言えそうだ。
- 作者: 海野つなみ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/12/06
- メディア: Kindle版
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なお、現在7巻まで発行されており、現在も連載中である。実写ドラマ化の予定もあるらしい。
今後の展開が楽しみだ。
ところで本作には高齢処女・百合が登場する。もちろん独身である。
上は百合の結婚に対する複雑な気持ちをみくりが慮るシーンである。
未婚女性がいだく否定と憧れの入り混じった複雑な気持ちって、拗らせ童貞がセックスに対していだく感情とイーブンなのかもしれない。
やっぱり改めて、童貞って良いものだなあと思う。
心だけは童貞のままでいたい。