NVIDIA GeForce Nowってなに?
NVIDIA GeForce Nowというサービスがある。
「ゲームストリーミングサービス」とか「クラウドゲームサービス」とか言われる。
普通、自宅のパソコンでゲームをする場合、こんな感じでゲームする。
それがゲームストリーミングサービスを使うと、こんな感じになる。
つまり、手元のパソコンでなく、インターネットの向こうの(=クラウドの)ゲーム用マシンでゲームが動作しており、
キーボードなどの操作情報はインターネットを介して送信され、処理結果の映像・音声データがインターネットを介して送られてくる、というもの。
しかもなんと、GeForce Nowは無料で使える。
ただし、ゲームのソフト自体はSteam等で買う必要がある。
パッケージ版は持っていても使えない。
結論(向いている人、向いていない人)
こんな人には向いてる:
- 通信環境(インターネット回線)がつよつよ(速い、安定している)
- 自宅にゲーミングPCがないけど、低スペックなパソコンやスマホ、iPadならある
- 美麗グラフィックの最新ゲームを遊んでみたい(『Cyberpunk 2077』など)
- ゲーミングPCを買うまでではないけど、試しに対戦ゲームをやってみたい
こんな人には向いていない/必要ない
- 通信環境(インターネット回線など)が微妙(マンション共有の回線で安定しない、など)
- 既に高機能のゲーミングPCを持っている
- やりたいゲームがGeForce Nowに対応していない
- ガチめに対戦ゲームを遊びたい
対応ゲームは?
ここでみれる。
cloudgaming.mb.softbank.jp
cloudgame.auone.jp
ちなみに日本での提供パートナーはソフトバンクとKDDI(au)なんだけど、多分どっちでも大差ないと思う。
思ったよりカバーしてるなーという印象。
インターネット回線はつよつよが必須
操作情報の送信、処理結果映像・音声の受信をリアルタイムで行うため、それなりに安定した回線がないと難しそう。
具体的には、GeForce Nowのデスクトップアプリケーションの「ネットワークをテストする」で確認できる、以下の推奨項目を満たしているとよさそう。
- バンド幅(いわゆる回線速度。下りだけ?):50Mbps超
- パケットロス率(ノイズ等で正しく送られないデータの比率):1%未満
- 遅延(多分、送ったデータが返ってくるまでの時間で、いわゆるPing値と同じもの):40ms(ミリ秒)
実際にGeForce Nowに登録してクライアントをインストールすると、設定画面でこれらの項目が満たされているかチェックできる。
インターネット回線の良さというと、ふつうは上の「バンド幅」で見ることが多いと思う。
YoutubeとかNetflixをストレスなく視聴するだけであればそれで十分。
でも、リアルタイムでデータをやり取りする関係上、GeForce Nowでストレスなく遊ぶには遅延やパケットロスも関係する。
契約しているインターネット回線で決まってしまう部分も大きいと思うけど、自宅のネットワークを見直すだけでも改善する場合がある。
自分が実際にやったのは
- ルーターを買い替えてIPv6を使うように設定。これでバンド幅(回線速度)がかなり改善。※GeForce Nowのためにやったわけではないけど
- 古いLANケーブルを新しいもの(しかもノイズに強いと書かれていたもの)に交換した。パケットロス率が改善。
あと、これは実際試したわけじゃないけど、
- Wifiの通信規格を最新のもの(Wifi 6=IEEE 802.11ax)する(ルーターもPCも両方対応する必要がある)
- そもそもWifiを使わず有線接続にする(この場合LANケーブルの品質も関係していくる)
- 家族がスマホで映画みてたりすると回線の容量を圧迫するので、優先度を設定できるQoS機能つきのルーターにして設定しておく
というのもできるかも。
実際やってみてどうだった?
自分がやってみた経緯は
スプラトゥーンを一緒にやっていたゲーム仲間がApex Legendsをやりたいと提案
↓
でもゲーム用PC持ってない(Macならあるけど対応してない)
↓
どれだけやるか分からんし、買うのもな〜。
↓
GeForce Nowやってみた
こんな感じ。
で、Apex Legendsやってたんだけど
- ほとんどヌルヌル動く。1080p(HD画質)で60FPS近く出てる
- 金曜の夜中など、時間帯によって回線が混みがちなタイミングでは画質が荒くなってカクつくことがある
- (めっちゃ大事なことだけど)それまでヌルヌルだったのに、撃ち合いのタイミングで急にカクつくことがある
3点目の、撃ち合いで急にカクつくっていうのが致命的なんだけど、おそらくこれはゲーム画面のストリーム配信に関わる技術的な問題だと思ってる。
音声動画をリアルタイムでそのまま垂れ流すのは回線負荷があまりに大きいので、おそらく専用の技術で圧縮して送信していると思われる。
動画の圧縮は、画像や音声が似通った場面が連続している場合にはうまくいくが、急激に場面が転換するとうまくいかないっぽい。
撃ち合いでカクつくのは、銃声やエフェクトなど、それまでとは連続しないデータが急に出てくるからなんじゃないかな、と思った。
有料プランは価値がある?
上で触れていなかったけど、無料版の場合、1時間でセッションが切断される、という制限がある。
対戦ゲームでプレイ中だったとしても、容赦無く切断してくる。
Apexの場合、再度接続し直せば復帰することはできるが、その間棒立ち状態で待機することになり、チームメンバーにも迷惑をかける。
1時間経ちそうだったら、一度セッションを閉じて、再接続しておけばまた1時間は切断されないので、忘れずに再接続しておくことが必要。
Apexは1回のゲーム時間が5分で終わるのか20分で終わるのか分からないので、20分前くらいになったら再接続するようにしていた。
有料プランの場合、このセッション時間が6時間になって、煩わしさから解放される。
その他、混雑時に優先アクセスできると書かれているが、実際に無料プランでアクセスできなかったことはないので、これがメリットなのかはよく分からない。
また、有料プランだとRTXに対応している、とある。これはつまりグラフィックス処理がより美麗になる、ということだが、通常のゲームでは無料プランでも十分楽しめる。美麗グラフィックを楽しみたい場合には価値があるといえる。
基本的に、最もボトルネックになりそうな通信環境については有料プランにしたところで改善されない。
コントローラーについては制約あり
一応、XBOXコントローラーなどは使うことができるらしい。
自分のSwitch用プロコントローラーも使うことができた。
しかし、XBOXコントローラーとして認識されていたため、ボタンの配置が表示と異なる、ジャイロが使えないという制約があった。
キーボード入力に関しては、キーボード配置の設定もできて、よほど特殊なものでなければある程度対応できそうだった。
まとめ
まあ、無料だし、興味があればとりあえずやってみてみるのがよさそう。