ほほう、三宅洋平は「比例制度の不条理」を訴えてるんだ(唖然)
そもそも参院は衆院を構成する政党と一定の距離を保つのが理想だと思うんですよね.衆参の構成が同じにしかならないのであれば,二院制の意味が無いわけです.かつて参院では無所属議員の会派(緑風会)が最大勢力でした.
衆参の差異を明確にするため,衆院での比例選挙を正当化しつつ参院の比例選挙を批判する立場はありうると思うんですよね.
ただし,それ以前に現在の強すぎる参院の権限をどうにかしたほうがよいと思いますが.また個人的には二大政党制も完全小選挙区もありだと思います.
「非拘束名簿式比例代表制」のわかりづらさ
田中龍作の例のツイートがどういう意図でなされたのかは前後を読んでも結局分からない…….
大政党に有利なのは小選挙区,というのは確かにこの記事の通り.一票の格差を問題にすべきというのも同意.
比例代表制が発明されたのは19世紀末。20世紀半ば頃にようやく世界に広がり始めたシステムだが、第二次世界大戦以降に議会制民主主義を確立した国々では、ほぼこの「比例代表制」で選挙が行われている。また、歴史的な経緯(比例代表制が存在しない頃から伝統的な議会制民主主義を実施している)イギリスやフランスにおいても、欧州議会の議員は比例代表制で選んでいる。世界の圧倒的主流である。
というのが気になって,イギリスやフランスの国政選挙の制度を調べてみました.
イギリスの上院は選挙なし,下院は単純小選挙区*1.フランスの上院は地方議員らによる間接選挙,下院は小選挙区二回投票制ですね*2*3.
イギリス,フランスを例外として,それ以外の国ではほとんど比例代表ということですね.ただ,下院についてはどうなんだろう?
イタリアは上下院ともに比例代表(ただし,上院は州単位,下院は全国単位)*4,ドイツは各州政府の代表者が上院議員*5,オランダは複選制*6,などなど各国でばらつきがあります.ポーランドは下院比例に対して上院小選挙区,という感じですね*7.
こうして見てみると,やはり当然のことですが上下院の選挙制度は異なるものを採用している国がほとんどのようですね.
日本は衆参いずれも選挙区+比例代表でほとんど同じです*8.これではカーボンコピーとの揶揄も仕方ないですね.
メモ
諸外国の下院の選挙制度
http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/refer/200612_671/067106.pdf
諸外国の上院の選挙制度・任命制度
http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/document/2009/200901.pdf
*1:外務省: 英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)基礎データ
*6:諸外国の上院の選挙制度・任命制度 http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/document/2009/200901.pdf
*7:ポーランド - 中東欧・旧ソ連諸国の選挙データ http://src-h.slav.hokudai.ac.jp/election_europe/pl/system.html
*8:一応細かいことを言えば,衆院の比例は11ブロックに分けるのに対して参院の比例は全国単位で行う.また選挙区については衆院は小選挙区で,参院は都道府県ごとに選挙区を置いているが,一人区が多く小選挙区に近い.