回心誌

世の中わがんね

エリートの悲劇、カンボジア、ポル・ポト政権


NHKスペシャル ポル・ポトの悪夢

権力は暴走する。エリートは暴走する。特に共産主義の被害は甚大だ。

カンボジアポル・ポト政権は急進的な原始共産政策を進めた。
その内容は、鎖国状態における自給自足、通過の廃止、都市部から農村への強制移住と強制労働である。この結果、貧困、飢餓が進み、国民の多くは悲惨な生活を送ることとなった。医師はインテリとして弾圧され、奇妙な民間療法が横行した。
機械を使わずダムを工事しやっとの思いで完成しても、農業生産効率は上がらなかった。
反対した者は次々と粛正され、政策は硬直していった。


このような悲劇的な政権が登場した背景には、ベトナム戦争がある。ポル・ポト政権以前は親米のロン・ノルが政権を握っていた。ロン・ノルは反北ベトナムでアメリカ軍のカンボジア侵攻を許可し、空爆によってカンボジアの農民も犠牲となった。ポル・ポト政権は反ロン・ノル、反米として勢力を拡大した。

農業政策の失敗による飢餓や貧困に輪をかけて、虐殺や戦争により、さらに多くの者が犠牲となった。


歴史の連続性を保ち、漸進的に進歩していれば、このような悲劇は防げたと思う。保守主義は暴走を防ぐための重要な選択肢に思える。
また、観念的な言い方になるが、たった一人の人間に国民の運命すべてを委ねるのはキャパシティ・オーバーなのかもしれない。だから、たとえ正しい動機によるものだとしても、独裁国家は悲劇を生む。迅速に結論を出す必要があるので、総理大臣や大統領などを選ばなければならないが、そうであるにしても権力は必要最低限にしなければならない。失敗したら、もしくは失敗が予想されたら、交代できるようにしなければならない。

ポル・ポト―ある悪夢の歴史

ポル・ポト―ある悪夢の歴史