回心誌

日々是回心

【レビュー】 Gainward RTX 4070 Phoenix :3連ファンにしては安いけど、欠点も色々。

「Gainward RTX 4070 Phoenix」を買った。

買う前にあまり調べずなんとなーく安かったから買ってしまったけど、私のようなボンクラがなんとなく買うと後悔するかもしれない。

良い点

  • RTX 4070の3連ファンにしては安い。他は10万円台なのに、これは8万円台で買えた。
  • まだ使い始めたてだけど、初期不良などはなく動作に不満はない。

悪い点

性能面

  • 他のRTX 4070製品と比べると、GPUクロックが微妙(ブースト時2475 MHz)。
  • RTX 4070で3連ファンにする意味があるのか問題。
    • RTX 4070は消費電力が少ないのが売りなんだから、発熱も少ないはずで、なら3連ファンじゃなくてよいのでは。
    • でもたぶん、2連ファンよりは静かなんだとは思う。
  • 推奨システム電力が750W
    • RTX 4070は推奨システム電力が650Wのものが多い中、この製品は750W。消費電力自体は200Wで他製品と同じ。ということは、突発的に電力が上がることが多いから容量に余裕を持たせる必要があるのだと思われる。
    • ワットパフォーマンスが良いのが強みなはずだが、不安定な電力消費にあわせて容量の高い電源ユニットにすると電力効率は落ちるし、電源ユニットの価格もあがる。
    • 若干迷ったけど、自分は元々使ってた650W電源のままにしている。CPU買い換える時にまた検討するかも。
    • 買い換えるなら750Wで12VHPWRに対応した電源にするのが良さそうだけど

サイズと形状と補助電源(12VHPWR)の問題

サイズ
  • でかい(328.9 x 131.1 x 63.6 mm)
    • 物理的な干渉がないか要チェック。
    • 横幅 131.1mm は他製品と比べてそれほど大きいわけでもないが、後述の12VHPWRの問題もあって横幅は配線的にも重要。ケースギリギリだとケーブルの余裕がなくなり、コネクタが必要になる。
    • 厚み 63.6はでかすぎ。
      • 下部のスペースに余裕がないと、せっかくの3連ファンも窒息気味に。
      • 3.1スロット占有。PCIeスロットへの増設が難しくなる。
    • 重量もそれなりにあるので、サポートステイは必須。

余談だけど、隙間が狭くても使えるサポートステイ。オススメ。

補助電源が12VHPWR

これが色々面倒くさい。「12VHPWR 注意」でググると色々出てくる。例えばRTX4000シリーズグラフィックボードなど、16ピン12VHPWR電源コネクタの接続に関する注意事項 | CFD販売株式会社 CFD Sales INC.

結構問題になってたので知ってる人も多いと思うけど、RTX 4090で発火しただの熱で溶存しただのって報告があって注意喚起されている。まあ、RTX 4070については定格消費電力が200Wで、RTX 4090の450Wの半分以下。ということで、発火だのの問題が起きるリスクは少ないとは思う。

とはいえメーカー側から注意喚起が出ているので、注意事項は守って使いたいが、真面目にやろうとすると結構面倒で、結局高くつくかもしれない。
てかさー、消費電力小さいんだから8pin1個で足りるレベルじゃないの。。。

  • 注意事項1) ちゃんと奥まで差し込みましょう
    • これは気をつけていれば問題はないはず。ラッチの音が鳴ったら安心。
  • 注意事項2) ケーブルを曲げるなら35mm以上離せ
    • ケースサイズによってはしんどい。私が使っているPCケース(Versa H17)だと、横幅が200mm程度で小さいほうでもないが、それでもちょっとギリギリ。
    • 曲げずに使えない場合は後述の90度、180度コネクタ、延長ケーブルを検討することになる。が、適合性を調べる必要がある。
    • 垂直置きに変換できるホルダーとかライザーカードを使う手もある。どっちにしても使えるケースは限られるだろうし、立てたところで厚みが邪魔になるかもしれない。

下はケースを閉めたときのケーブル状況を再現しつつコネクタからケースカバーまでの距離を測ってみた写真。
まあ分かりづらいけど、ちょうど35mmあるかないかみたいな感じ。

180度コネクタはこういうやつ。ただし、これは多分このグラボには適合しない。あとで説明する。

これは90度ケーブル。これもたぶんこのグラボには使えない。

ホルダーとか言われているのはこういうやつ。使うなら大きさをしっかり見て使いたい。

  • 注意事項3) 8ピンx2 to 12VHPWRの変換ケーブルを使う場合、8ピン側が別系統になるようにしてね
    • 消費電力200Wならそんなに気にしなくていい気もする。が、結局は自己責任だ。
    • マザーボードから75W給電されるはずなので、補助電源には125W入ればいい。分岐によって不均衡が生じても、定格の150Wを超えることは稀だろう

自分が使ってるのは玄人志向の650W電源で、8pinコネクタは2つ付属するが、ケーブルは1本で途中で分岐している。しかもケーブル直結で交換とかもできない。(玄人志向の650W電源はモジュラー式でもどの道PCIeコネクタが1つしかないけど)

買い替えるとしたら、750Wで12VHPWRが直接使えるやつにするかなあ。
現状CorsairのRM750eとかMSIのMAG A750GL PCIE5とかが安くて1万5千円くらい。

補助電源の90度、180度コネクタで適合するのが少ない

ケーブルを曲げないように配線するためのコネクタが市販されている。
ただ、グラフィックカードの形状等によって物理的に干渉するとコネクタを取り付けることができない。ファンガードやカバーと当たってしまう。

暗くて分かりづらいけど、補助電源コネクタ周りの写真。ケーブルは外した状態。

この製品は下部ヒートシンクが出っ張っているので、下向きのコネクタはまず間違いなく適合しない。ケースにもよるが、上向より下向きのほうが配線しやすいことが多いと思う。
が、このグラボではできない。上向だとCPUファンへの干渉も怖い。

上向きのコネクタしか選択肢はないが、その場合でも、コネクタの左は3mmほどしか猶予がないため、前述の以下のコネクタは使用できない。

使えそうなのはCable Mod製など一部。でも高い。
www.oliospec.com
store.cablemod.com


余談だけど、アマゾンに安いコネクタも売ってるが、ラッチがついてないのがあったり。半挿しになるのが怖くて使えない。
勇気を出して安いの使うのも一つの選択だけど、せめてラッチは付いてる奴にしたい。

てか、分岐ケーブルとコネクタ併用していいの?って問題もある。
ダメだとすると、電源自体から直接12VHPWRで給電しないといけなくて、それなりに新しくて高い電源ユニットじゃないと無理。

まとめ

色々欠点ばかり上げたけど、ちゃんと調べて確認して、自分が作りたいものとあってれば全く問題なくて、単によく調べずに買った自分がバカなだけ。
安く買えたのはめちゃありがたいし、今んとこ使ってて不満は全くない。


いっそ、こういうSFFケースに詰め込むのも面白いかもなあ。
kunnyoshi.style